今回の記事ではphpMyAdminをEC2インスタンスにインストールして別のインスタンスにインストールされたMariaDBにアクセスする手順を学習します。phpMyAdminはブラウザ上からMariaDBの管理やクエリの実行をすることができる管理画面になります。本記事は「EC2インスタンスにMariaDBをインストールする」の記事の学習を終えて、MariaDBのインストールが完了したEC2インスタンスがあることと、今回phpMyAdminをインストールするためのEC2インスタンスが立ち上がっていてSSH接続できていることを前提として学習を進めていきます。
事前準備
セキュリティーグループの設定
まずは、「EC2セキュリティーグループの作成」の記事を参考に、MariaDBをインストールしたEC2インスタンスにセキュリティーグループの設定をして起きましょう。そして、MariaDBのインスタンスへのアクセスを許可するセキュリティーグループを、今回phpMyAdminをインストールするEC2インスタンスに設定しておいてください。
PHPのインストール
phpMyAdminはPHP言語で書かれたアドミンパネルです。PHPのインストールが前提になりますので、「PHPをインストールしてコマンドラインとブラウザでPHPを実行する」の記事を参考にPHPをインストールしてください。
phpMyAdminにはmysqliモジュールは必須です。PHP用のMySQLドライバーのインストールを忘れないようにしましょう。
Apacheのインストール
phpMyAdminはブラウザベースのアドミンパネルなので、PHPとApacheを連携してウェブサイトとして表示する必要があります。「Apache(アパッチ)サーバのインストールと設定、そしてHTTPS化」の記事を参考にApacheもインストールしてPHPと連携できていることを確認しておいてください。
Apacheサーバとphp-fpmの再起動を忘れないようにしましょう。
sudo systemctl restart httpd
sudo systemctl restart php-fpm
phpMyAdminのインストール
以下の手順でphpMyAdminをインストールします。
【公開ディレクトリへ移動】
cd /var/www/html
【phpMyAdminのダウンロード】
sudo wget https://www.phpmyadmin.net/downloads/phpMyAdmin-latest-all-languages.tar.gz
【フォルダの作成とphpMyAdminファイルの解凍】
sudo mkdir phpMyAdmin && sudo tar -xvzf phpMyAdmin-latest-all-languages.tar.gz -C phpMyAdmin --strip-components 1
【ダウンロードファイルを削除】
sudo rm phpMyAdmin-latest-all-languages.tar.gz
【ディレクトリ・ファイルの所有者の変更】
sudo chown -R apache:apache /var/www/html/
インストールが終わったらブラウザでphpMyAdminのログイン画面を開いてみましょう。ログイン用の設定は次項で行いますので、ここではログイン画面が表示されることだけを確認しましょう。
mydomain.example.com又はIPアドレス/phpMyAdmin
参考記事:https://docs.aws.amazon.com/linux/al2023/ug/ec2-lamp-amazon-linux-2023.html
phpMyAdminの設定とログイン
phpMyAdminがインストールされたインスタンスがMariaDBがインストールされたインスタンスにアクセスするには、phpMyAdminの設定ファイルに接続先を指定する必要があります。
【phpMyAdminのディレクトリに移動】
cd /var/www/html/phpMyAdmin
【サンプル設定ファイルを本番用設定ファイルにリネームコピーする】
sudo cp -ip config.sample.inc.php config.inc.php
【接続先の変更】
sudo vi config.inc.php
-
#$cfg['Servers'][$i]['host'] = 'localhost';
$cfg['Servers'][$i]['host'] = '接続先IPアドレスまたはドメイン';
-
上記設定が済んだら「EC2インスタンスにMariaDBをインストールする」の記事で作成したパワーユーザのアカウントでphpMyAdminにログインしてみましょう。ログイン後の画面が表示されたら成功です。
phpMyAdminのテーマをダークモードに変更する
phpMyAdminはテーマの変更ができます。デフォルトでインストールされているテーマ以外のものを選びたい場合は以下のリンクから適用したいテーマのリンクを取得します。
https://www.phpmyadmin.net/themes/
今回はphpMyAdminのバージョン5.2に対応したBooDark 1.1.0を適用していきます。
【テーマディレクトリに移動】
cd /var/www/html/phpMyAdmin/themes/
【テーマをダウンロード】
sudo wget https://files.phpmyadmin.net/themes/boodark-teal/1.1.0/boodark-teal-1.1.0.zip
【ダウンロードファイルを解凍】
sudo unzip boodark-teal-1.1.0.zip
【ダウンロードファイルを削除】
sudo rm boodark-teal-1.1.0.zip
これでテーマはインストールできました。
phpMyAdminのログイン後のページをリロードしてください。テーマの選択ドロップダウンから「BooDark」が選択できるようになったのが確認できます。
まとめ
本日は、MariaDBに接続するためにphpMyAdminのインストール手順を学習しました。事前準備としてApacheとPHPのインストールやEC2インスタンスへのセキュリティーグループの設定がありましたね。phpMyAdminの設定ファイルに接続先を指定して、phpMyAdminにログインできるようになりました。最後にテーマの変更の手順も確認しました。データベースの管理にphpMyAdminは非常にパワフルなツールです。各タブやメニューに目を通してどこになにがあるかを把握しておきましょう。
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